SNS運用代行スクールで使えるリスキリング補助金とは?
2023年から実施のキャリアアップ支援制度
リスキリング補助金は、2023年から本格的に実施された、経済産業省が管轄するキャリアアップ支援制度です。
正式には「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」と呼ばれ、デジタル分野などの成長分野へのキャリアチェンジを支援する目的で設けられています。SNS運用代行は、デジタルマーケティングの中核スキルとして、リスキリング補助金の対象分野に含まれています。
この制度の背景には、デジタル人材の不足という社会課題があります。Instagram、X(旧Twitter)、TikTokなどのSNSを活用した企業のマーケティングが重要になっていますが、それに対応できる専門人材が不足しています。国としても、SNS運用などのデジタルマーケティングスキルを持つ人材を育成することが急務となっています。
対象者は、雇用保険に加入している社会人です。正社員だけでなく、条件を満たせば契約社員や派遣社員も利用できます。ただし、無職の人や自営業の人は対象外です。また、転職を前提とした制度であるため、現在の仕事を続けながらスキルアップしたい人には向いていません。
採択事業者の対象講座は最大70%還元される
リスキリング補助金の最大の魅力は、受講料の最大70%が還元されることです。
還元率は最大70%で、30万円のスクールなら実質9万円、50万円のスクールなら実質15万円で受講できます。上限額は年間56万円で、複数の講座を受講する場合でも合計で56万円までの補助が受けられます。
ただし、すべてのSNS運用代行スクールが対象というわけではありません。経済産業省が認定した「採択事業者」の対象講座のみが補助金の対象になります。大手スクールでも、一部のコースしか対象になっていないケースがあります。
また、70%還元を受けるには、転職して1年間働き続けることが条件です。卒業時に50%、転職後1年経過時に20%の2段階で支給されるため、転職しないと残りの20%を受け取れません。つまり、転職を確実に目指す人にとっては、最もコストパフォーマンスが高い選択肢です。
対象講座かどうかは、スクールの公式サイトに「リスキリング補助金対象」「経済産業省認定講座」といった表記があるかを確認しましょう。
受講費の補助からキャリア面談・転職まで一気通貫で支援
リスキリング補助金の特徴は、受講費の補助だけでなく、キャリア面談や転職支援まで一気通貫でサポートする点です。
単に受講料を補助するだけでなく、受講前のキャリアコンサルティング、受講中のスキル習得支援、卒業後の転職サポートまで、トータルで支援してくれます。これにより、確実に転職を成功させることを目指しています。
具体的な支援内容は、事前のキャリアコンサルティング(自分に合ったスキルやキャリアプランを相談)、受講中のメンタリング(学習進捗の確認や悩み相談)、ポートフォリオ作成支援、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、求人紹介、転職後のフォローアップといったものです。
特に事前のキャリアコンサルティングは必須です。受講開始前にキャリアコンサルタントと面談し、ジョブ・カードを作成します。この手続きを忘れると、補助金を受け取れないので注意が必要です。
また、転職後1年間は就業を継続する必要があります。転職後すぐに退職すると、追加の20%を受け取れません。一気通貫の支援体制により、受講生が確実に転職し、新しいキャリアを築けるようサポートしています。
SNS運用代行スクールで使えるリスキリング補助金の申請方法
リスキリング補助金対象講座のSNS運用代行スクール申込む
リスキリング補助金を利用するには、まず対象講座を提供しているスクールに申し込む必要があります。
すべてのSNS運用代行スクールがリスキリング補助金の対象というわけではないため、事前に確認が必要です。スクールの公式サイトに「リスキリング補助金対象」「経済産業省認定講座」といった表記があるかを確認しましょう。
また、同じスクール内でも、コースによって対象・対象外が分かれていることがあります。例えば、「総合コースは対象だが、短期コースは対象外」といったケースです。自分が受講したいコースが対象かどうかを、必ず事前に確認しましょう。
スクールに申し込む際は、「リスキリング補助金を利用したい」と伝えてください。スクール側が必要な手続きを案内してくれます。また、申請に必要な書類(雇用保険被保険者証のコピー、在職証明書など)を準備しておくとスムーズです。
受講料は一旦全額を自己負担で支払います。補助金は後払いの制度なので、まず30〜50万円を自分で支払い、後から50%が返ってくる仕組みです。一時的な資金負担が難しい場合は、スクールの分割払いやクレジットカード払いを利用する方法もあります。
事前のキャリア相談・面談を受ける
リスキリング補助金を利用するには、受講開始前にキャリアコンサルティングを受けることが必須です。
スクールが提携しているキャリアコンサルタントを紹介してくれる場合と、自分でハローワークや民間のキャリアコンサルタントを探す場合があります。ここでジョブ・カードを作成し、転職に向けたキャリアプランを立てます。
キャリアコンサルティングでは、現在のスキルや経験の棚卸し、転職先として目指す業界や職種、SNS運用スキルをどう活かすか、今後のキャリアプランといった内容を相談します。この面談を通じて、「なぜSNS運用を学ぶのか」「どんなキャリアを築きたいのか」を明確にします。
ジョブ・カードは、キャリアプランや職業能力を記録するツールです。このカードを作成することで、自分のキャリアを客観的に見つめ直し、転職活動に活かせます。
この事前手続きを忘れると、補助金を受け取れません。スクールに申し込む前、または申し込みと同時に、キャリアコンサルティングの予約を取りましょう。スクールが手続きをサポートしてくれることが多いので、指示に従って進めれば問題ありません。
卒業後に補助金申請を行う(1回目:50%)
スクールのカリキュラムを修了したら、卒業後にスクール経由で補助金申請を行います(1回目:50%)。
修了証明書を受け取った後、スクールが補助金申請書類を作成し、経済産業省に提出します。受講生は、スクールから指示された追加書類(転職活動状況報告など)があれば提出します。
申請に必要な主な書類は、修了証明書(スクールから発行)、領収書、雇用保険被保険者証のコピー、キャリアコンサルティング受講証明書、転職活動状況報告書です。これらの書類をスクールに提出すれば、あとはスクールが申請手続きを代行してくれます。
申請から1〜2ヶ月後に、受講料の50%が指定した銀行口座に振り込まれます。30万円のスクールなら15万円、50万円のスクールなら25万円が返ってきます。この時点で、実質的な負担額が半額になります。
ただし、書類に不備があると支給が遅れるため、スクールから指示された書類は正確に準備しましょう。また、振込先の銀行口座情報も事前に用意しておくとスムーズです。
転職活動を行い1年間は就業を継続する
第1段階の50%を受け取ったら、転職活動を行い、転職先で1年間働き続けます。
リスキリング補助金は転職が前提条件なので、卒業後は積極的に転職活動を進める必要があります。スクールの転職サポートを活用して、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、求人紹介などのサポートを受けられます。
SNS運用者として転職する先は、Web制作会社、広告代理店、マーケティング支援会社、企業のマーケティング部門など、幅広い選択肢があります。未経験からでも、ポートフォリオがしっかりしていれば、年収350〜450万円で転職できるケースが多いです。
転職に成功したら、転職先で1年間働き続けることが重要です。転職後すぐに退職すると、追加の20%を受け取れません。1年間は我慢して働き続ける覚悟が必要です。
また、転職先の雇用形態にも条件がある場合があります。正社員への転職が必須なのか、契約社員でも認められるのか、スクールによって条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。転職活動の状況は、定期的にスクールに報告することが求められることもあります。
1年後に補助金の申請を行う(2回目:20%)
転職後1年が経過したら、再度スクール経由で追加給付の申請を行います(2回目:20%)。
転職先の在職証明書などを提出し、「転職後1年間働き続けた」ことを証明します。必要な書類は、追加給付申請書、雇用証明書(転職先の企業から発行)、在職証明書(1年間在職していることの証明)、給与明細または源泉徴収票(収入証明)です。
これらの書類をスクールに提出すれば、スクールが申請手続きを代行してくれます。申請から1〜2ヶ月後に、受講料の20%が振り込まれます。30万円のスクールなら6万円、50万円のスクールなら10万円が追加で返ってきます。
これで、合計70%の補助金を受け取ったことになります。30万円のスクールなら合計21万円(実質9万円)、50万円のスクールなら合計35万円(実質15万円)で受講できた計算です。
ただし、転職後1年以内に退職した場合は、この20%を受け取れません。最終的に70%還元を受けるには、受講開始から2年以上かけて段階的に返ってくる仕組みです。長期的な視点で、キャリアプランを立てることが重要です。
リスキリング補助金の対象条件や注意点
雇用保険の加入者である
リスキリング補助金を利用するには、雇用保険に加入していることが必須条件です。
正社員であれば、ほぼ確実に雇用保険に加入しています。契約社員や派遣社員でも、週20時間以上働いている場合は雇用保険に加入している可能性が高いです。自分が雇用保険に加入しているか不安な場合は、勤務先の人事部に確認するか、ハローワークで雇用保険被保険者証を確認してもらいましょう。
また、雇用保険の加入期間も重要です。スクールによって条件が異なりますが、一般的には通算で1〜2年以上の加入期間が必要とされることが多いです。加入期間が足りない場合は、リスキリング補助金ではなく、教育訓練給付金(一般教育訓練給付金なら加入期間1年以上で利用可能)を検討しましょう。
無職の人や自営業の人は、リスキリング補助金を利用できません。現在雇用保険に加入していることが条件なので、無職の場合はまず就職して雇用保険に加入してから、リスキリング補助金を利用する必要があります。
パートやアルバイトの場合も、週20時間以上働いていて雇用保険に加入していれば利用できる可能性があります。ただし、転職先の雇用形態についても条件があるため、事前に確認が必要です。
転職希望者をしている
リスキリング補助金を利用するには、転職を希望していることが前提条件です。
この制度は、デジタル分野などの成長分野へのキャリアチェンジを支援することを目的としているため、転職しない人は対象外です。現在の仕事を続けながらスキルアップしたい人、副業目的の人には向いていません。
転職の方向性も重要です。SNS運用スキルを活かして、Web制作会社、広告代理店、マーケティング支援会社、企業のマーケティング部門などに転職することが想定されています。全く関係のない業界や職種に転職する場合は、補助金の対象外になる可能性があります。
また、転職先の雇用形態にも条件がある場合があります。正社員への転職が必須なのか、契約社員でも認められるのか、フリーランスとして独立する場合は対象になるのか、スクールによって条件が異なります。
事前のキャリアコンサルティングで、転職の方向性や目標を明確にし、ジョブ・カードに記録します。この内容と実際の転職先が大きく異なる場合、補助金の支給が認められない可能性もあるため、慎重に計画を立てましょう。
補助金の受取は2段階になっている
リスキリング補助金の大きな特徴は、給付が2段階に分かれていることです。
卒業時に50%、転職後1年経過時に20%という形で、合計70%が還元されます。この仕組みにより、受講生が確実に転職してスキルを活かすことを促しています。
第1段階:修了時に50%支給
スクールのカリキュラムを修了し、修了証明書を受け取った後、スクール経由で申請すると受講料の50%が支給されます。30万円のスクールなら15万円が還元されます。
第2段階:転職1年後に20%支給
卒業後に転職し、転職先で1年間働き続けると、追加で20%が支給されます。30万円のスクールなら6万円が追加で還元され、合計21万円(70%)が返ってきます。
つまり、転職しなかった場合や、転職後1年以内に退職した場合は、残りの20%を受け取れません。最大70%還元を受けるには、転職を成功させて、1年間働き続けることが必須です。この2段階の仕組みは、受講生に転職活動を促し、確実にキャリアチェンジを実現させるための工夫です。
補助金は後払いで受講料は全額自己負担
リスキリング補助金は、後払いの制度です。
スクールへの受講料は、まず全額を自分で支払う必要があります。修了後にスクール経由で申請し、給付金が振り込まれるまで1〜2ヶ月かかるため、一時的に全額を自己負担することになります。
例えば、50万円のスクールでリスキリング補助金(70%還元)を利用する場合、まず50万円を支払い、修了後に25万円(50%)が返ってきます。さらに転職1年後に10万円(20%)が返ってきて、最終的に実質15万円になります。
一時的な資金負担が難しい場合は、スクールの分割払いやクレジットカード払いを利用する方法もあります。ただし、分割払いの手数料がかかる場合があるので、トータルコストを計算してから判断しましょう。
また、転職1年後に受け取る20%は、転職後にならないと入金されません。つまり、最終的に70%が返ってくるとはいえ、受講開始から2年以上かけて段階的に返ってくる仕組みです。資金計画を立てる際は、この点を考慮してください。